徒然妄想日記

腐った妄想を吐き出す場所。

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小話

かなり昔に書いたSSです。
糖度1000%という感じで。
ロイが女々しいです泣いてます愚図ってます甘えてます子供です。
そんな感じで。

WITH YOU


「大佐、もう泣き止んでください」
困った顔でハボックがロイを宥める。
「だっ…てっ…と…とま、らな…っ」
一度決壊したダムが簡単に直せないように、ロイも自分の涙を止めることが出来ないでいる。ひっくひっくとしゃくり上げながら必死で溢れる涙を拭っていた。
「早く泣き止まないと誰かに見られますよ」
ハボックがこっそりとロイの耳元で囁いた。ここはハボックのアパートのすぐ外。土砂降りの雨で周りに人影は見当たらないが、可能性を否定できないのも事実。
ロイはハボックの言葉にはっとして口をつぐみ、涙を堪えた。
(泣き止んだかな…?)
ぐす、と鼻をすすって目尻に溜まった涙を袖で拭う。3秒ほど黙っていたロイだったが、次の瞬間には再びせき止めていたダムが決壊した如く、ぶあっと溢れた涙が頬を流れ出して「ハボックー…」と求めるように名前を呼ぶ。
ハボックは苦笑した。愛しさに目の前がくらくらする。こんなに愛しくて可愛い人は見たことがない。
(まいった…、すっげぇ可愛い…)
ハボックは泣きじゃくるロイの涙を指の腹で拭い、そのまま唇を寄せた。
雨の音が二人を包む。
静かなキス。
唇を少しだけ離し、ハボックはロイの濡れた瞳を間近で見つめた。
「どうしたらあんたは泣き止んでくれますか?俺はあんたの笑顔を見たい」
こんな風に泣くロイは珍しくて、とてもかわいらしいけれども、やっぱり一番好きなのはいつもの不遜な態度だとか偉そうな口調だとか。ふとした時に見せる綺麗な笑顔だとか。
「どうしたら笑ってくれますか」
優しく問うと、ロイが伏せていた顔を上げた。その拍子に真珠のような涙の雫が散る。
「……たくさん…言葉をくれ…」
眉根を寄せて懇願するように、ロイは小さく掠れる声で訴えた。
不安が消える迄、信じられるほどに、たくさんの言葉とさくさんのキスを。
体中埋め尽くすまで、満たして。
「何度だって、貴方だけに誓います」
ハボックはロイの指をとると、そっと口づけた。
祈るように、ゆっくりと瞳を閉じ、想いを込めて囁く。
「ずっと…貴方だけを護って、傍にいます…」
ハボックを見つめる黒い瞳がゆっくりと瞬き、そしてようやく小さく微笑った。



「すっかり身体が冷えてしまいましたね」
ハボックに手を引かれ彼のアパートに連れられたロイは今は雨に濡れた頭をタオルで拭ってもらっている。
涙の跡は残っているものの、すっかり泣き止んでいた。
「っくしゅん!」
ロイがくしゃみをするとハボックは苦笑した。
「風呂に入りますか。それよりも早く熱いシャワー浴びた方がいいっすね。………そんなに張り付かれてると動きにくいんすけど?」
ハボックは困ったように笑った。
ロイはハボックの体にべったりとくっついていた。大好きなぬいぐるみを離したくない子供のように、ロイはハボックの傍を離れたがらない。
少しでも離れると、また遠くへ行ってしまうような気がして触れていないと不安で堪らなかった。
「中まで一緒に連れていくつもりですか?」
「え…どこに?」
くすりと笑われてロイは一瞬きょとんとして首を傾げたが、あ!と小さく叫ぶとぴったり張り付いていた体を慌てて離した。
でも、どうしよう。
少しでも離れたらそのままいなくなってしまいそうで怖い。
体を少し離しはしたが、ロイの指はハボックのシャツの裾を掴んだまま。ハボックは苦笑した。
「仕方ないっすね」
ロイの頭をあやすように撫でると両手で頬を挟み覗き込んだ。
「俺も一緒に入っていいっすか?」
からかうように言われてロイの頬が、かああっと紅くなった。
「一人で入れる!」
「そうですか。じゃ、早く入らないとほんとに風邪ひきますよ」
「…」
一人で入れると言いながらもロイは動こうとしない。ハボックは笑みを噛み殺した。
「大佐?」
「…お、まえがっ、どーしてもって言うのなら、いいぞ…っ」
消え入りそうな小さな声でそう言うとロイは顔を俯けた。
ハボックは自分の頬がだらし無く緩むのを自覚した。
可愛い。
はっきり言って可愛すぎる。
忍び笑いが漏れて、笑われていることに気付いたロイは、頬を膨らませる。その頬に素早くキスを落とすとハボックはロイの手を引いてバスルームに向かった。そんなに広くはない脱衣所で二人向かい合う。
「お前だって…濡れたままだ。風邪、ひく」
「俺のことよりも、あんたが先」
額にキスを落とし、湯の調子を見てきますと言い置いて、ハボックはバスルームに入った。シャワーの湯の温度を確かめて脱衣所に戻ったハボックが目にしたのは、自分の服と格闘しているロイの姿。
一番上のボタンを外したまではよかったが、そこからが上手くいかない。雨に濡れて指先まで冷えてしまって思うようにいかないのだ。
「…脱げん…」
ロイはハボックと目が合うと途方もないように小さく訴えた。
ハボックは笑いながらロイを引き寄せる。まるで子供みたいだと思ったが、それは言わないことにする。
「このボタンがひっかかってる。…ほら、取れましたよ」
ベルトを抜き、ボタンを全て外されシャツを落とされる。その間、ロイはおとなしくされるままだ。
こんな風にあの女も脱がせたのだろうか、なんてぼんやりと考えた。
そんな風に思った途端、せっかく止まっていた涙が溢れ、ぽろりと落ちた。
自分じゃない誰かといるハボックを想像して悲しくなった。
「ハボック…」
零れた雫はハボックの手を濡らす。驚いたハボックはロイの服を脱がせる手を止めた。
「また、泣きウサギになってしまいましたね。どうしました?やっぱり自分だけで入る?」
ハボックの胸にしがみついてふるふるとロイは頭を振った。
「嫌だ…一緒がいい…」
ハボックはそっとロイの背中を撫でた。
「今日のあんたは泣いてばかりっすね。もう泣かないで下さい。あんたに泣かれるとどうしていいかわからなくなってしまう」
「お前のせいだ…っ」
こんな気持ちになるのも、こんなに不安になるのも、全部全部ハボックのせい。
だけども安心させてくれるのも温もりをほしいと思うのも、ずっと傍にいてほしいと思うのもハボックだけだ。
ぎゅう、としがみついてロイはハボックを離すまいとする。
濡れたハボックのシャツが頬に冷たいけれど、布越しに伝わるハボックの体温が心地いい。
ハボックは自分よりも薄いロイの肩を抱く。
「…本当にあんたは俺を振り回す…」
ハボックが呻くように低く呟いたのに不安になってロイは顔を上げた。ハボックの顔が僅かに赤い。
ハボックは唇にキスを落とした。
「俺はあんたを愛してますよ。俺が好きなのはあんただけだ」
真摯な青い瞳に見据えられる。ロイの好きなソーダ水の青。しかし今は深い海のように色を変えてロイを見つめる。
繰り返し与えられる、啄むようなキス。額や頬、鼻の頭、瞼。
「ハボック」
顔中にキスをもらってロイはくすぐったさに首を竦めて笑った。
「やっと笑った」
ちゅ、ともう一度唇にキスをされる。ハボックに微笑まれてロイも笑みを返した。





ロイが別人。
どういう展開でこうなってどうなって、そして続きは!?という感じですね。前後ないです。すみません。
多分、ハボが女と一緒にいるとことか目撃して、色々不安になってロイが別れるだの何だのぐだぐだになってたんじゃないかと思います。
そして、むしろメインはこの話のあとの二人でお風呂タイムなんじゃないかと思うのですが、へへへエロ書けないのでここでおしまいです。
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煩悩と堕落。
好きなものは鶏からとカレーと抹茶のスイーツ。
あとハボック(もの?)

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