徒然妄想日記

腐った妄想を吐き出す場所。

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げふんげふん。

げほんごほん!
昨晩寝たの結局2時だったんですが、咳が止まらなくてなかなか寝付けなかったよー;;

明日はメイストームデイですね?。
下にロイハボSSおいときます。



【5月の嵐】



「今日はメイストーム・デイだな」
「何すか、それ?」
ロイが家に持ち込んだ書類に目を通す横でハボックはソファーに身を沈めて読書をしていた。ロイが唐突にそんなことを言い出したのは、千頁ほどもある分厚い本の3分の2を過ぎたところ。
「【八十八夜の別れ霜】に因んで、バレンタインデーから88日目にあたる5月13日は別れ話を切り出すのに最適なのだとか。バレンタインデーに告白した者は、この日は嵐のように喧嘩をして別れてもいい、という意味だそうだ」
「へえー、変なこと知ってるんですね」
今ハボックが読んでいるのは、推理小説のちょうど佳境に入ったところだ。3年ほど前に出版されたこの本はジワジワと人気が出て、今では映画化やドラマ化されたりと昨今話題のものである。かくいうハボックもブレダに勧められ半ば無理矢理貸し出されたのだが、始めは渋々と読んでいたハボックも今では暇があれば読み進めているのだった。
珍しく本を読み耽るハボックの返事はついおざなりなものになってしまう。それでもロイは続ける。
「この前ヒューズと電話をした時に聞いたんだ」
こちらが聞きもしないのに、そんな話をしたヒューズの以下言葉。
『おまえら、いっつもいちゃいちゃしてるが、いつ別れがくるとも限らねぇんだぜ。いつまでも常春みたいなツラしてのほほんとしてる間にハボックに愛想つかれないようにな』
フフンと笑った、この日のヒューズは正直機嫌が悪かった。最愛の妻、グレイシアと些細な理由で珍しく喧嘩をしてしまったのだ。
気分転換と思い、ロイへと電話をかけたのであるが、ちょうど執務室に在席していたらしいハボックとのいちゃいちゃ会話を電話口の向こうから耳にするはめになってしまい、結果更に不機嫌を増すことになってしまった。
そんなわけで、つい厭味を込めてそんな意地悪をヒューズは言ってしまったのである。ヒューズの気分は少し晴れたが、対してそれを言われたロイは少なからず不安になってしまったのだった。
「あの人も変なとこ雑学王っすよねぇ…」
ハボックはロイの思いには気付かず、活字を追うのを止めないままだ。
ふう、と軽い溜め息をついてロイは手元のファイルを閉じた。
椅子から降りて、ハボックが座っている一人掛けのソファーのひじ掛けに腰を下ろす。
「今日が早く過ぎればいいのに」
「……あんた、もしかして別れたらどうしようとか思ってます?」
ハボックの頭を撫でながらそんなふうにロイが呟くのを聞いて、ようやくハボックはロイが言いたいことを理解する。いくらなんでも…と、呆れたようにハボックは苦笑した。
「だが、昨日は仕事で遅くなってしまったし」
「昨日も、でしょ。1週間帰ってこないこともありましたねぇ」
再び本に目を落としたハボックの声音が平淡なものに変わる。
ロイはぎくりと肩を揺らし、言葉に詰まった。
業務の処理に終われて自宅になかなか帰ってこれなかったのは先週のこと。それでも今週は一段落ついて、帰宅は遅いものの帰ってこれるようになった。今日は休みを返上して書類を眺めてはいるが、久しぶりに互いの休みが重なったこの日。こうして二人きり傍にいる時間をようやく作ることが出来ている。
やっぱり…とロイは肩を落とした。
「やはり、怒っているか?」
同じ職場にあっても互いの業務が忙しくて、例え傍にいても恋人の時間を持てない二人が同居を決めたのは一月前のことだ。これで前よりもずっとは一緒にいられますね、と言ったハボックの笑顔が可愛くて抱きしめたのだっけ。だが、仕事とはいえ、なかなか恋人らしい時間をとることができず約束を破ってしまう自分に自己嫌悪する。
遠くで、仕事をサボって書類を溜め込むからです、というリザの声が聞こえたような気がするがそれは聞かなかったことにする。
「別に…怒ってませんよ」
本から視線を離さず、ロイを振り返らないハボックの態度にロイは焦躁する。申し訳ない思いと同時に、自覚するハボックへの思いの深さ。そういえばずっとちゃんと触れていないのだ。
後ろからロイはハボックを抱きしめた。強く掻き抱かれて、ハボックのページを繰る指が止まり、本が滑り落ちていく。
「ハボック…」
久しぶりのハボックの匂いだ。うっとりとロイが呟いた、その途端、ロイの腕の中からハボックの声が上がった。
「あーっ、もう!どこ読んでたかわかんなくなった!!」
「え、あ、ハボック?」
驚いたロイは思わずハボックから身を離す。ハボックは落ちた本を拾うと、パラパラと探すようにページをめくりながら、ロイに指を突き付けて、ぴしゃりと言い放った。
「さっきからうるさいですよ、あんた。後でゆっくり話を聞いてあげますから、ちょっと待っててください」
つまるところ、ハボックは本に没頭してロイの話は半分くらいしか聞いてなかったのだ。邪魔な者は誰であろうと容赦しないというハボックの態度にロイはショックだ。
「ひどい…ハボック」
「もう、うるさいですよ。さっさと溜め込んだ書類片付けちゃってくださいよ」
「う…」
今ハボックの後ろにリザの姿が見えた気がする。
「ここ後で掃除するんだから」
その言葉を最後にハボックは再度本に没頭してしまう。ちょうど話のクライマックス、事件の犯人を暴こうとしているところだった。
愛しい人に構って貰えず淋しいのは自分だけだったのか。
ロイはすっかり落ち込むことになった。

「おぉ?嵐真っ只中?」
出張に上じてちょうどこの家を訪れたヒューズは少し前から戸口で、そんな二人の様子を声もかけずに眺めていた。
「ヒューズ…」
親友の存在に気付いたロイが睨み付けるが、意に介さない様子でヒューズはカラカラと笑う。
「いっやー、せっかくこっち来たからお前と酒でもって思ったんだけどよ、さっきグレイシアと電話してたら『あなたに逢いたいわ、早く帰ってきて』なんて言われてよぉ!悪いが俺帰るな!またこっち来たら連絡するからよ!」
上機嫌に一方的にまくし立てて、じゃっ!と片手を挙げて親友は去っていった。
「…嵐だ」
ぽつりと呟いてロイはがっくりと肩を落としたのだった。
だがロイは知らなかったが、この日を乗り切れば6月12日の「恋人の日」が待っている。
5月の嵐は滞りなく二人を過ぎていくようであった。


おしまい





5/13はメイ・ストームデイです。来月はきっとラブラブであることを期待して(笑)
元々は全然違うお話だったのですが、ロイハボにリメイクしました。ハボロイにするか迷ったんですけどね。
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煩悩と堕落。
好きなものは鶏からとカレーと抹茶のスイーツ。
あとハボック(もの?)

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