徒然妄想日記

腐った妄想を吐き出す場所。

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看護学生ハボ1

・ハボックが看護学生でロイが心臓血管外科の医師です。
・元がオリジナルで、名前を変えただけなのでそれぞれ性格とか違います。
・○年前に書いたそのまんまの文章で荒いです。でも今書いてもきっと変わらない下手さ。

それでもいいよという方はどうぞ!↓

「あーあー」
 大きな溜め息をついて、ジャン・ハボックは走らせていたペンを机の上に投げ出すようにして転がした。目の前にあるのはいくつかの本とプリント。本のタイトルは循環器疾患患者の看護に関するものである。
 ハボックは看護学生だ。
 先週から始まった成人看護実習の受け持ち患者の情報を元に病態の分析・判断を明日までに仕上げてしまわなければならない。アセスメントはまだ半分も終わらせていない。だが、溜め息の原因はそれだけではない。勿論課題が進まないことは憂鬱なことではあるのだが、それはまた別である。
 もう一度さっきよりも深い溜め息を吐いたとき、背後から頭を軽く叩かれて振り向いた。そこにはクラスメートのハイマンス・ブレダが立っていた。
 ブレダはハボックの隣に座ると、椅子を引き出してそこに座った。
「なーにたそがれてんだよ。くっらいぞお前」
 ブレダも看護医学書を手にしている。今回の実習の課題を終わらせるために必要な本を学校の図書館に借りにきたら友人が暗い顔をして溜め息をついていたというわけである。
「実習めんどくさいよなー。計画立案明日までって、寝る暇ないっつうの。なぁ?」
「そうだな」
 そうは言いつつも実習自体は好きだ。患者と関わるのは楽しい。ただ、課題だけはどうしても好きになれない。それを乗り越えないと前に進めないのも事実なのだが。小さく溜め息をついてハボックは転がったペンを拾い上げた。
「お前、今日はここでレポート仕上げんの?」
「いやこれ借りにきただけ。もう終わるなら一緒に帰るか?」
「うーん。いいや、もうちょっとやってく。まだ調べたいことあるし」
 ハボックの答えにそっかと応えるとブレダは友人の浮かない表情を気にしながらも立ち上がった。
「ま、今回の実習で前期の実習も終わりだもんな。あと二週間頑張ろうぜ」
「おう、んじゃな」
 互いに軽く手をあげて別れを告げる。実習のチームは別れているので、実習中はクラスメートと顔をあわせることが少ない。次に会うとすれば、週に一度の定期登校日でということになる。
「あと二週間かぁ」
 ブレダが図書室を出て行くのを見送って、ハボックは溜め息とともに呟いた。
 


緊張する胸を押さえ、ハボックがナースステーションの前に来たのは今月の初め。身を包むのは真っ白なユニホーム。ハボックたちは東8階、循環器センターで看護師の勉強をするために三週間の実習をするのだ。
ジャン・ハボックはアメストリス国立病院付属の看護学校に通っている。男で看護師を目指す者が近年増えたとは言っても、まだまだその数は少ない。ハボックのクラスには男子学生は自分を含めて5人しかいなかった。チームは4人編成で各病棟に実習に行くのだが、ハボックのチームには当然男はハボック一人である。
「やっと一週間だよー。長いよ、早く実習終わってくれないかしら」
 そうぼやくのは同じチームのウィンリィ・ロックベルだ。と、同時に他の子も同じように話し出す。
「患者んとこ行っても話すこと尽きてきたしねー。あんま喋ってもくんないし」
「情報取れって言われても限度があんのよね」
「大体この病棟さ、何?ナースコールが鳴っても自分の仕事優先でさ、全然出ようとしないの」
「そうそう!」
 指導者に言いつけられた仕事も後回しにして盛り上がりだした女子の会話をハボックはぼんやりと聞いている。考えているのは別のことなので、ハボック君は?と話を振られた時、すぐに反応できなかった。
「あ、ごめん。何?」 
「マスタング先生ってかっこいいと思わない?」
「へ…?」
 いつの間に実習の愚痴からそんな話に移行していたのか。
「マスタング先生…ね。男の俺にそんなこと聞くなよ」
「いいじゃない。ねぇ、男から見てどう思う?」
「どうもこうもねぇよ」
動揺する胸を抑え、表面上はうんざりとしたように言ってハボックはその会話から離れる。ハボックとしてはあんまり聞きたい名前ではなかった。
「こんにちは」
 その時背後から知った声が上がった。その声に女の子たちはぴくりと肩を震わせ、と同時に顔を赤く染めた。
「あ、あらー。マスタング先生v聞いてたんですかー」
「はい。聞いてましたとも」
 にこにこと応えたのは白衣に身を包んだ黒髪の男。涼やかな目元、その瞳は漆黒だ。穏やかそうに微笑まれて、その場にいた女子は全員ぼーっとなってしまう。
彼が噂に上ったロイ・マスタング。この病院に勤める医師だ。専門は心臓血管外科。人当たりがよく、頭の切れは冴えていて、数々の学会や専門誌に名を連ねるエリートだ。それだけでなく甘いマスクにナースは元より実習生や患者たちからも絶大な人気を誇る。
「ところで、えーっと。ハボック君?」
 いきなり名指しされてぎくりと体が固まる。そんなハボックに気付いているのかいないのか男は背を伸ばし、身長の高いハボックの顔を覗き込んだ。
「私はかっこよくないかな?」
「………」
 ハボックの沈黙。だけどロイはハボックの答えを期待していた様子はなく、すぐに姿勢を正した。
「いいのかな、君たち。あっちでナースたちがこっちを睨んでますよ。さぼってると指導者が怒るんじゃないのかな」
 うわっ、やっばい!
 慌ててリネン庫へと走る。そもそもただお喋りに興じるためだけに廊下でたむろしていたわけではなく、受け持ち患者の洗髪のための準備をしようと思っていたのだ。メンバーに続いて、ハボックも足を向けようとしたところでユニフォームの裾を引っ張って引き止める力があった。振り向くと、さっきと同じにこやかに笑う顔がある。その顔がふと意地悪気な笑みに変わった。
「さっきの答え、あとで聞かせてもらおう」
 ぞくっとするほどの冷たい微笑。
 ハボックは振り切るようにその場から逃げ出した。
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煩悩と堕落。
好きなものは鶏からとカレーと抹茶のスイーツ。
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